メモです

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マイナンバーカードは住基カードの焼き直しなのか

 要旨

マイナンバーカードは住基カードの代わりではなく、各組織が持つ情報を効率的に取得することを可能にし、行政の質を向上させる目的がある。最終的には、民間企業も含めたあらゆるサービスをカード一枚での利用を可能にする。

 

Q.

マイナンバーで便利になるのか?確定申告でマイナンバーカードと運転免許証のコピー取らされたし逆に不便になった。

 

A.

導入初期は行政の効率化が大きい。今後の機能追加は後述する。

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マイナンバー 社会保障・税番号制度が始まります 入門編

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000093701.pdf)より

また、マイナンバー通知カードだけだと写真がないので本人確認ができない。そのために運転免許証も添付する必要がある。マイナンバーカードなら一枚だけでよい。また、戸籍や住民票のコピーを提出するときは今後、楽になるらしい。

Q1-6 マイナンバーが導入されると添付書類が不要になると言われていますが、住民票の写しや戸籍の添付が全て不要になるのですか?
A1-6 マイナンバーの導入により、平成29年7月から地方公共団体などで情報連携が始まり、社会保障や税、災害対策の手続で住民票の写しなどの添付が不要になります。
ただし、現時点でマイナンバーが使われるのは、法律や条例で定められる社会保障や税、災害対策の分野に限られるため、それ以外の分野の行政手続では、引き続き住民票の写しなどの添付が必要になります。
 また、戸籍は検討中であるものの、現時点ではマイナンバーの利用対象に入っていないため、番号の利用が始まった後も従来どおり提出していただく必要があります。(2016年2月回答)

マイナンバー社会保障・税番号制度

Q.

住基カードはどうなったのか?

 

A.

普及率5.6%の住基カードは死にました。マイナンバーカードを作る際に住基カードは返還する必要がある。(地方公共団体情報システム機構は記念品として持ち帰ることも可能と言っている)

ただし、全てが無駄だったわけではなく、住基カードに記録されている各個人の住基票コードは自治体の住基ネットで継続して使われる。

 

Q.

住基カードと住民票コードでマイナンバーカードと同じことができるのではないか?

 

A.

住基カードに住基票コードは記載されていないので、マイナンバーのように個人が自分でなんかの書類で番号を書くというのが難しい。(住民票コード付き住民票をもらえば知ることはできるが、行政以外が住民票コードを集めることは禁止されている。

 

Q.

住民票コードを記載した住基カードを配りなおせばよかったのでは?

 

A.

Q1-7 なぜ住民票コードをそのまま使わないのですか?
A1-7 「住民票コード」はもともと今回のような利用を想定しておらず、運用の大幅な改変が必要になることや、パブリックコメントの多数意見が「新しい番号の利用」だったこと、等が主な理由です。(2014年6月回答)

マイナンバー社会保障・税番号制度

 

またマイナンバー制度は住基ネットにはなかった複数の行政を結ぶ新しいシステムを導入している。

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マイナンバー法案についての都道府県・指定都市担当課長説明会 資料7 住民基本台帳法・電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律の一部改正について」より(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/houansetumei/siryou7.pdf)

 

このシステムを導入することで、他の行政が持つ住民の情報を効率的かつ正確に取得することができる。

(同姓同名で生年月日が同じ人がたまにいて、行政ではたまにミスがある。

同姓同名、同一生年月日で別人の年金記録は存在するか? – 全国 消えた年金相談センター

 

あとは住基カードでやりたかった(できた)機能である

・保険証

・国家公務員身分証

・印鑑登録証

・図書館カード

・民間企業の社員証

お薬手帳

・診察券

なども空き容量部分に盛り込む方向性がある

そして最終的には

マイナンバーカードをスマホにダウンロードできる(またはSIMカードに搭載できる)

東京オリンピックの入場には事前に登録した生体情報を参照することでスマホすら持たずに入場する

・民間企業も公的個人認証サービスを利用可能になり、IDとパスワードを覚えずにマイナンバーカードをカードリーダーで読み込むだけになる

・各企業がキャッシュカードなどを発行する必要がなく、マイナンバーカードに機能を追加するだけ

・銀行口座をオンラインで即時開設

が可能になる。

詳細は以下で確認できる。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000418560.pdf

 

Q.

重要なデータをひとつのとこで管理したら逆に危ないのでは

 

A.

総務省のサーバにマイナンバーを送ると生年月日から年収まで全部丸見え!というイメージは正しくない。ひとつのでかいサーバになんでもつまっていることはない。

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の図にある通り

年金に関する情報は日本年金機構しか持たないし、税金に関する情報は国税庁しか持たない。

各組織が必要な時に必要な情報だけを提供する。

 参考:

マイナンバー、その「複雑さ」の真相 - 第1回 「個人番号」では串刺し検索ができない:ITpro

 

Q.マイナンバーで税金逃れや社会保障の不正受給がなくなるというが、現状でも不正防止が可能ではないか?

 

A.

 Q1-2 これまでマイナンバーがなくても生活に支障がなかったと思いますが、なぜ マイナンバー制度を導入するのですか。
A1-2 これまでも、例えば、福祉サービスや社会保険料の減免などの対象かどうかを 確認するため、国の行政機関や地方公共団体などの間で情報のやりとりがありました。
 しかし、それぞれの機関内では、住民票コード、基礎年金番号医療保険被保険者番号など、それぞれの番号で個人の情報を管理しているため、機関をまたいだ 情報のやりとりでは、氏名、住所などでの個人の特定に時間と労力を費やしていました。
 社会保障、税、災害対策の3分野について、分野横断的な共通の番号を導入することで、個人の特定を確実かつ迅速に行うことが可能になります。これにより、行政の効率化、国民の利便性向上、さらに公平・公正な税・社会保障制度を実現します。(2015年12月回答)

マイナンバー社会保障・税番号制度

 

感想

http://www.soumu.go.jp/main_content/000418560.pdf

 を読むと単なる行政の効率化というよりも、IDやパスワード、書類でカオスになってしまったものを一枚のカードに集約するということが最終的な目標であるという感想をもった。

費用対効果の検証はおこなっていない